池田活版印刷所便り_Blog

2023.10.15 2024カレンダーが刷り上がりました

DSC 4789  恒例の卓上カレンダーが刷り上がりました。大きさは10cm×10cm   紙はニーナコットン。白くて柔らかくて厚くて、大好きな紙です。小型ですが、数字がくっきり鮮やかに印刷されています。上部は、インキを付けない空押しです。毎年デザインは変えていますが、樹脂版や亜鉛凸版ではなく、すべてうちにある活字や罫線を組み合わせて情景を表しています。「この風車は何を使っているんだろう。」「このヨット、おもしろい。」と思ってくださると嬉しいです。活版印刷のいいところが随所に現れていると思います。先日、訪れたパン屋さんのレジ近くにうちで作った2023活版印刷カレンダーが置いてあり感激しました。お店にとても似合っていました。デスクに置いて毎日眺めると幸せな気分になると思いますよ。手で触れると活字がいとおしく感じられるかもしれません。

1月~12月まで12枚をお洒落なトレーシングペーパーで包んでお届けします。また、近所の大工さんに作ってもらったジャストサイズの木製スタンドも準備しています。

どうぞ、1年分の豊かな気分を当店のカレンダーで味わいください。1セット2200円(税込み)です。木製スタンドは1個400円(税込み)です。

11月1日より当店で販売いたします。電話、メールでも受け付けますので、宜しくお願いします。お待ちしております。

2023.9.18 活版印刷の領収証

   以前、活版印刷体験を終わられた方に領収証をお渡しすると、「わぁ、活版印刷の領収証ですか。初めて見ました。可愛い‼️」と思っても見なかった反応に驚きました。

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   当店では、ずうっとその形式の領収証ですが、そう言えば手書きの領収証はあまり見なくなりましたね。当店の2枚複写の領収証はアサギ色です。可愛いと言われるとそうなんだなあと思ってしまいます (笑)

10月からインボイス制度が始まるということで領収証の印刷の注文がありました。近所の何十年もお付き合いさせていただいている老舗のお店からです。

登録番号、税率区分表8%と10%、但しの所も税別など、従来の領収証に付け加えがたくさんあり版を組むのに時間がかかりました。おまけにナンバリングも入ります。罫線の表の繋ぎ目に難儀しましたが、出来上がったときはよく頑張ったと自分を誉めたくなりました(笑)

レトロな感じがお好きな社長さんで、活版印刷を応援してくださっています。ありがたいことでし。先日、納品しました。

2023.9.11 平台印刷機のメンテナンス

今日は、師匠の肥後印刷の社長さんに機械の調整をしていただきました。60年位前の大型平台印刷機。

既に製造中止で部品もなく、機械に詳しい人がいない中で、何とか今まで動いてきたのが奇跡的だと思います。機械の音に耳を済ませて、油を指してなだめながらやって来ました。しかし、部品の磨耗、ローラーの磨耗は深刻です。鉄工所で作ってもらう、ローラーのまきなおしをする、と解決法はありますが、時間がかかり料金も高額になると聞いて躊躇しておりました。ローラーは痩せて細くなっているから、版にインキがつかないのです。そこで、師匠はローラーが乗っている所を1ミリ削るとローラーが下がってインキがつくとアドバイス。納得しました。早速同級生の村山さんに来てもらい事情を話すと快諾。その日のうちに6本の部品が低くなりました。同級生ってありがたいです。

師匠は何十年も印刷一筋に生きてこられたので、そこには創意工夫がありました。諦めない、考える、繰り返しやってみる、そして、機械を愛しておられる。「機械は嘘つかんですもんな」と厳しい目と確かな技術で機械に向き合うことを教えてくださいました。

とはいえ、機械音痴の私には理屈がわかりません。そして、今日、長時間にわたって機械の調整をしてくださいました。終わらなかったので「明日、また来るね。」と。機械が元気になって、調子よく印刷できる日はもうすぐのようです。

私と活版女子ななさんが力を合わせてやったことは、ローラーの洗浄。重い10本のローラーを外して油で洗う。きれいになりました。金ローラーは、光っています。可愛がろう、機械を🎵

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2023.9.9 活版印刷 汀女句集

いつの間にか蝉の声が聞こえなくなり、コオロギの声が近くで聞こえるようになりました。9月です。

おしろ蚤の市で、運命の出会いをしました。

中村汀女さんの句集が目に留まりました。俳句には興味がありましたし、高校の大先輩ですし、最後の勤務地の画図小学校が汀女さんの出身校ということで、子ども達は1年生から俳句を詠んでいます。偉い方ですが、身近な方でもあります。心が弾んだのを覚えています。嬉しかった…。

おまけに、選者は高浜虚子さんでした。名前だけは知っていますが、汀女さんとの繋がりがあるのに感激しました。ホトトギスとも…

句集は、昭和18年発行ですので、80年前になります。そこには、活版印刷で印刷された俳句が茶色に変色した紙の上に、いきいきと誇らしくうたってあります。

両面印刷ですので、凸凹はなく、ぎりぎりの印圧でとても美しい印刷です。職人さんの技術力の高さがわかります。文字の力強さと共に力強く残っている活版印刷に敬服しました。

これから2024カレンダー作成が本格的になります。予約を承っております。宜しくお願いします、DSC 4716DSC 4717

 

2023.8.11 山の日

明日のがあーっぱ祭りの準備で大忙しの町中です。私も商工会女性部の一員として関わってきましたが、多くの人の力を結集しないと祭は出来ません。今も会場作りで汗を流しておられます。頭が下がります。

大抽選会、スイカ割り、魚つかみ、100人コーラス、コロッケさんのショー、打ち上げ花火と楽しいことがいっぱいです。女性部のテントでビールとおつまみを販売します。お待ちしています。

先週、地域起こし協力隊員の企画のイベント「みふねさんぽ」が開かれました。浴衣を着て御船の町をそぞろ歩いて楽しんでもらいたいというものでした。浴衣の着付け、うちわ作り、ランチ、体験(煎茶体験、活版印刷体験)と盛りだくさん。

当店では、栞印刷体験に挑戦してもらいました。「好きな紙を3枚選んでください。」「どれにしよう、迷うね。」浴衣を着て活版印刷しているのは未だ見たことありませんが、レトロでタイムスリップしたようでした。手きんは、意外と重いです。声を揃えて、「いーち、にーい、さーんぎゅーにーい、さーん、ぎゅう。」そうっと手を伸ばして栞を取り上げると、にこーっと笑顔。とても喜ばれました。嬉しいですね。写真はメツ活字で遊んでいるところです。スタンプに押して、「ま、があった!」と大喜びです。自分の中の名前の1文字だったそうです。

短い時間でしたが12名の方が体験されました。御船の町を好きになってもらえたら嬉しいです。とてもいい企画でした。ありがとうございました。

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