池田活版印刷所便り_Blog

2022.2.24 句集「母音」を紹介します

松永まり子さまは、隣町にお住まいの同年代の素敵な方です。以前名刺を注文されたとき、「俳句集を作ろうと思っています。その時は池田さんにお願いします。」と言われました。本作りはやったこともないのに、おまけに私はまだ初心者。身の程知らず、無知…と。でも、うちにはレジェンド永戸さんがいるから、出来ると簡単に引き受けました。今思えば、だいそれたことでした。

本は、こうやって出来るのかと勉強しました。

128の版を組みました。ページを絶対間違わないように。両面印刷だから、上下左右がぴったり合わないといけません。大きい機械に慣れていないので難しかった。古い機械だから、微調整を繰り返しながら一枚一枚手ざしで刷ります。インキが濃かったり薄かったりするので、ネジを回して調節したり、薄い紙を胴に貼ったりして、四つの句が同じような濃さになるようにします。この間、レジェンド永戸さんが入院となり、孤独と未熟さと不安な毎日を過ごしました。それでも仕上げたい、松永さまの期待に応えたい、喜ばれる顔を想像しながら頑張りました。松永さまは時々様子を見に来られます。製本をお願いするシモダ印刷の下田社長様からはアドバイスをたくさん頂きました。先代の頃からお世話になっている肥後印刷の本田社長様からは小さなことまで丁寧に手取り足取り教えてもらいました。ありがたいことでした。

半年後、永戸さんが復帰していよいよ本刷り。家族総出で刷り上げました。達成感は今までで最高でした。新しいことが出来たという自信になりました。池田活版印刷所に新しい1ページが加わりました。気長に待っていてくださった松永さま、ありがとうございました。本になったこの一冊は才能溢れる松永さまの俳句で満たされていますが、活字のよさも味わっていただけるのではないかと自負しています。ぜひ、手にとってご覧くださいませ。DSC 3579