池田活版印刷所便り_Blog

朝夕少し過ごしやすくなりました。8月が終わりそうです。となると、恒例のカレンダー製作に取りかかります。当店は、活字の世界を楽しんでいただけるように、全ての月を活字で表現します。毎月の表示の上部に絵を空押しで入れます。昨日できた9月のトンボは、思わず「ナイス‼️」と、自己満足しています。限られた活字で形にするのは難しいですが、それを考えるのが楽しいのです🎵絵にはインキは付きませんので、少し傾けて光に当てるとほのかにそして、くっきりと絵が現れます。フフっと笑っていただけるように、さらに改良していきます。さて、10月は何を作りましょうか。DSC 3994

写真があった方がいいですね🎵DSC 3973

今日は、近くの川で精霊流しがあります。江戸時代から続くお盆の伝統行事です。今年亡くなった方を供養するため、船をこしらえて花や提灯、ろうそくで飾り付け、供物を供えて流します。日が落ちた頃、読経の後、大小様々な船を遺族や縁者が運び川にいっしょに入って流します。大きい船だと5m位あります。昨年は20そう位川原に並びました。花火や爆竹で、賑やかに荘厳な思いで下流まで船が流れます。船の舳先には亡くなった方の名前が書かれた旗が揺れます。川縁で見ている人たちは、旗に記された名前を見てありし姿を偲ぶのです。毎年繰り返される精霊流しですが、生かされていることを自覚する一時です。

御船の夏のお祭り、があーっぱ祭りも地蔵祭りも中止になりましたが、精霊流しは伝統を守って開催されます。早朝から商工会青年部の方々が準備を始めています。お天気も川の深さも流の速さも丁度いいようです。

8月16日は御船の精霊流しです。

天草コレジヨ館のグーテンベルクの活版印刷機に会いに行きました。3回目です。行く度に感動が増します。複製ですが、世界にここにしかない歴史を感じさせるものです。欧遣少年使節団が持ちかえり、ここ天草で金属活字で印刷され出版されたのです。ポルトガル式ローマ字ですが、何となく読めます。当時の人々の勉学に対する熱いものを感じました。印刷機は、当店にあるものと見かけは全く違いますが、構造的には同じなので、御先祖のようでした。歴史と信仰の町、天草です。DSC 2931

御船に活版印刷があるとは知らなかったとお客様。細々としぶとくやっています。

喫茶店経営のお客様は、当店オリジナルの活版コードをご覧になり、自らデザインして来こられました。活版コード正方形なのに対して、ドリップをイメージした逆三角形。そして、5対3の大きさ。やったことないけど、探し当てて来られたのだからしっかり応えなければ。

原稿には、お客様の人生、珈琲に対する気持ち、お客様を大切になさっている様子が込められていました。多分一生かけて珈琲道を追究されるのだろうなど勝手に想像がふくらみました。

そして、組み始めました。

「申し訳ありません。入りません。」                           活字には限界があります。パソコンのように自由自在に大きさや場所を変えることができません。大切な言葉や数字が指定された場所に収まらないのです。困りました。お客様に画像を見ていただいて相談しました。すると、スッキリして凄くいい、想像以上だと即ok。ありがとうございます🎵よかったです❗

紙は、温かい色で優しい手触りの「ハーフエア  コルク」に一枚ずつ心を込めて印刷しました。

休みの日に映画を見て至福の珈琲をいただきに参りましょう。     ありがとうございました。DSC 2918